『ゴッホは星空に何を見たか』読書感想・あらすじ|心に残ったポイントとおすすめポイント

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ゴッホといえば《ひまわり》……そう思っていた私の常識が、本書で覆されました。
天文学者がキャンバスに描かれた星空を観測した時、ゴッホが当時抱いていた思い、眺めていた情景が浮かび上がってくる――。
芸術と天文学が交差する、星空をめぐる旅のような一冊をご紹介します。

『ゴッホは星空に何を見たか』はどんな本?

著者・出版社・ページ数

著者は銀河天文学、観測的宇宙論を専門としている天文学者・谷口義明氏。
光文社から出版され、全200ページ。

ジャンル・読了時間の目安

ゴッホの絵を天文学の視点で読み解く新書ですが、専門用語は少なく、読了時間は2~3時間程度。
口絵や解説のための図も多く、非常に分かりやすく読みやすい一冊です。
名画を鑑賞するような感覚で読めるのが魅力のひとつ。

読んだ感想・心に残ったポイント

本書を読み進めるなかで、特に私の心を捉えたのは、《糸杉と星の見える道》の章。
《糸杉と星の見える道》を読み解くなかで、《星月夜》に描かれた三日月と金星の位置関係に関する“謎”に気づく一節がある。
そこから導き出される結論に、思わず唸ってしまった。ぜひ、これは本書で確認していただきたい。


ゴッホは星空をただ見たまま描くのではなく、自身の心象を重ねていた。
星に思いを馳せ、キャンバスの上でそれらを再現しながら自身の気持ちもそっと織り込んでいく。
その姿は、迷いや想いを抱える一人の人間としてのゴッホを感じさせてくれた。
死後評価を受けた偉大なる画家を、より身近に感じられるような一冊でした。

こんな人におすすめ

どんな読者層に刺さる?

・ゴッホの絵が好きな人へ
もともと好きではあるけれど、絵の中の星空に深く着目したことはなかった、絵の背景についてもっと考えてみたいと思っているあなたに。

・美術館に行くのがもっと楽しくなりたい人へ
本書を読むと、普段美術館に足しげく通うタイプの人間でなくとも、ちょっと行きたくなってしまいます。ということは普段から美術館に行っている人はもっと行きたくなるはず。

この本で得られるもの

・美術館での時間が変わる
ただ「きれいな絵」「素敵な絵」と通りすぎるのではなく、描かれた星の理由やゴッホの思いに馳せながら鑑賞できるようになります。

・夜空を見上げる楽しみが増える
夜になればどこにいても星空を眺めることはできる。色々な条件下があるのでゴッホが見た空と同じ……とまではいかないが、何気ない夜の空が少しだけ特別なものに見えてきます。

まとめ|『ゴッホは星空に何を見たか』を読んでみて

本書を手に取る前は、ゴッホについて知っているのは《ひまわり》と《自画像》だけでした。
書店でたまたま目が合い、タイトルと冒頭に惹かれて読み始めて、ゴッホの絵や人となりについて、知ることができたように思います。

ゴッホが描いた星空。天文学的な知見や遠近法。ゴッホの手紙や絵から読み解ける考え方。
多角的な視点から解説されていて、知的好奇心をくすぐってくれるし、何より読みやすいからどんどん読めてしまうのが素敵でしたね。

本書を読んでから、東京で開催されていた「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」に行く機会を得ました。
ゴッホについてせっかく興味が出たのだから、生で絵が観たいと思い至ったのです。
おそらく今までの自分であれば、「いい絵だなあ」と思いながら通り過ぎていたのではないかと思いますが、本書のおかげで絵の細部までじっくり鑑賞できました。
次は「夜のカフェテラス展」のほうにも足を運べたら……。

📚 書籍情報

『ゴッホは星空に何を見たか』
著者:谷口 義明
出版社:光文社新書
ISBN:9784334104757(※書店で注文の際にご利用ください)

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